手形不渡りを回避した贈答用洋食器卸売業の再生
再生に携わる前の会社の状況
- 二代目の拡大志向で畑違いの業務用の洋食器卸会社の事業を人員も含めて譲り受け事業部門化、それがとんでもない安物買いの銭失いだった。
- 時間の経過とともに相乗効果が生まれると信じ込み、過去の信用で銀行借入を急激に増やしたが資金は流出する一方。
- リストラを始めたものの動きが鈍く、手形の不渡りが視野に入るようになった。
- 二代目の目利きで選定した輸入洋食器の売上が軌道に乗りつつあった。
業種 |
卸売業(贈答用洋食器) |
都道府県 |
大阪府 |
年商 |
15億円 |
負債総額 |
7億円 |
従業員数 |
100名 |
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<SCLの取り組み>
- 日繰表を作成し資金枯渇日(Xデー)を確定
- デューデリジェンス:事業精査 財務精査 不動産評価
- 売掛金/在庫担保でDIPファイナンス注入
- 第一次再生計画書作成 返済・支払を全面停止
- 撤退部門の人員整理
- バンクミーティングの開催 仕入先説明会の開催
- 新会社設立 事業譲渡 不動産の売却
- 第二次再生計画書作成 旧会社不渡り発生と第二次人員整理
【再生過程に発生した障害】
- 解雇した社員から文書や電話での執拗ないやがらせ。
- 元社員が意図的に仕入先に悪評を流布し、取引継続条件が悪化した。
再生の結果
- 再生前の手形不渡りを回避
- 旧会社と銀行との間でリスケジュール締結 リース会社とはリース物件の引揚げで合意
- 取引を終了する仕入先とは残債を超長期の支払で妥結
- 不動産担保の債務は売却返済後の残債をサービサーに移行
再生後の会社の状況再生前の従業員100名が15名体制になったが、輸入洋食器卸に大きく舵を切ったので月次損益は黒字を維持
再生のポイント1支払手形の不渡り絶対阻止
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新会社設立前に不渡りを出すと仕入先との交渉が絶対的に不利になる。Xデーを確定させ、支払をジャンプできる手形はジャンプさせ、足らず分をDIPで補完した。 |
再生のポイント2非情な決断
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不採算部門は一刻の猶予もなく切り離さねばならない事態と判明し閉鎖を選択、それに関わる人員を非情な思いで整理した。 |
再生のポイント3返済・支払の即刻全面停止
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事業再生初期の基本は止血策(資金流出防止)の講じ。借入銀行ならびに仕入先に一方的宣言ではあるが全面停止を通知した。ただし、バンクミーティングの開催時期を明言しそれまでの間の窮余の策と理解を促すことが肝要。 |
再生のポイント4状況が変われば第二次再生計画書も
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仕入先との関係が已む無く悪化し、当初計画の遂行に疑義が生じればただちに計画を見直すべき。更なる業務縮小の方針で国内業務を棄て輸入商社に業態を変化。 |
相談から契約までの流れ
- 電話にて相談
- 面談(2回)
- 契約条件提示
- 弊社との契約